MASH-HOUR.com

MONTHLY from MASH

ふたりぼっち

「私」

私は時々急に呼ばれ箱に閉じ込められ運ばれる。

運ばれた場所は部屋のときもあるし車の中、もしくはパソコンの中なんてときもある。

暮らしにリズムなんてないに等しいから眠れるときによく眠る。

今日も真夜中の3時に叩き起こされて見ず知らずの男の部屋に呼ばれた。

しかしわたしが部屋に現れると静けさと冷蔵庫のファンの音しかなかったはずが真冬に初めてつけたストーブのように、
暗い海の灯台のように、
雨上がりの虹のように、
柔らかい光がそそぐようにあたたかさに包まれて、
さっきまで寂しい表情の男はすこしだけ明るく見える。

この表情のために私は今日もせっせと働く。

私は音楽。

私は音楽。

今日も誰かの魔法になる。





「歌を待ってる」

歌を待ってる

三時間も机に座って

歌を待ってる

時々トイレ行ったり

コーヒー煎れながら

歌を待ってる

どの扉をノックしても出てこない

歌を待ってる

気晴らしに本を開く

気晴らしに散歩に出る

歌を待ってる

諦めて風呂に湯をためる
服を脱いでパンツを脱ぎ猿になる途中で歌がやってくる

パンツ一丁で考える

今やって来た歌にすぐに付き合い言葉をかけるか

風呂を先にするのか

でも歌は気分屋ですぐに帰る時もあるから風呂を後にする

歌はきまま気分屋の大切な客人みたいだ

僕は歌の言うことに耳を傾けつつコーヒーを煎れている

夜中の2時。


2012年6月 MASH


バックナンバーはこちらから